FMT

プロ野球ニュース 担当チームプロ野球ニュース座談会 Vol.1

CrosstalkCrosstalkCrosstalkCrosstalk社員クロストークサムネイル

Introduction

今回は、フジテレビONEで放送中の「プロ野球ニュース」に関わってきたスタッフ7名が集結。番組の歴史と共に、番組作りの醍醐味や仕事の魅力を大いに語ってもらいました!※選手名については一部敬称を略させていただきます。

社員クロストーク

プロ野球ニュース

1976年にフジテレビ地上波で放送開始。2001年からCS『フジテレビONE』にフィールドを移し、プロ野球専門ニュース番組として現在までプロ野球の試合がある日は毎日生放送。(オフシーズンは毎週月曜日に放送予定)

公式サイトへ公式サイトへ
黒木

取締役

黒木さん

山口

撮影取材部

山口さん

伊藤

編集制作部

伊藤さん

福山

制作1部

福山さん

武田

制作2部

武田さん

浅羽

制作2部

浅羽さん

境澤

制作2部

境澤さん

Session - 01

自己紹介とプロ野球ニュースの関わり

黒木

黒木さん

黒木です。プロ野球ニュースには社会人1年目の1989年から99年まで約10年関わっていました。PD(プログラムディレクター)からデスク業務まで色々なことを担当しましたが、一番がっつり関わっていたのは1990-91年の西武ライオンズ担当、92年の巨人担当の時期で、この3年間は球団担当として毎日プロ野球を見ていました。

山口

山口さん

撮影取材部の山口です。父親がプロ野球ニュースのカメラマンをやっていたので子どもの頃から身近な番組でした。私自身も1990年の入社当初からプロ野球ニュースを担当。ENGカメラマンとして現役で20年くらい。10年ぐらい前にデスクになるまでは、ほぼ現場で撮影をしていましたね。

伊藤

伊藤さん

編集制作部の伊藤です。タツ(山口)と一緒で1990年入社です。プロ野球ニュースのダイジェストVTRを編集しています。もちろん編集という立場なので他の番組も担当しますが、入社から35年ずっとプロ野球ニュースが中心。今が一番濃く担当してる気がします。

福山

福山さん

制作1部の福山です。自分は地上波放送には携わっていませんが、2001年開始のCS放送開始から24年携わっています。

浅羽

浅羽さん

制作2部の浅羽です。僕は地上波でプロ野球ニュースを放送していた1999年頃にフジテレビスポーツ局の学生バイトでした。その頃はひたすら電話を取ったり、ゲラ(ニュース原稿などの最終版の前の印刷物)を担当ディレクターに渡したりしていました。PD・編集長・デスクなど担当者の名前が書かれたホワイトボードに黒木さんの名前があったのは憶えています。2005年に入社してからもプロ野球ニュースに関わり続けて今に至るという感じで、バイト時代も入れると25年ぐらいの付き合いです。

武田

武田さん

制作2部の武田です。CSでプロ野球ニュースが始まった2001年に入社したので、CSプロ野球ニュースと同じ年数、テレビ業界で働いています。チーフ含めてプロ野球ニュースに専念したのは2008年頃から2020年まで。ある程度番組の全体的な部分を任されていたという感じです。

境澤

境澤さん

制作2部の境澤です。僕はCSプロ野球ニュースがやりたくて2022年に入社したので、まだ2年しか関わっていません。試合ダイジェストなどを担当しています。

武田

武田さん

同級生のプロ野球選手は誰がいました?

伊藤

伊藤さん

デストラーデ。(1962年世代)

一同

一同

ははは~!

山口

山口さん

古い!

黒木

黒木さん

僕、デストラーデのモノマネしてましたからね。

伊藤

伊藤さん

似てたし(笑)

一同

一同

ははははは!

浅羽

浅羽さん

自分は福留孝介さんとか藤井秀悟さんとかですかね。(1977年世代)

山口

山口さん

僕はKKかな。(1967年世代)

黒木

黒木さん

清原と桑田!

山口

山口さん

まさに夏の甲子園での活躍を観てました。実際にこの世界に入って、巨人の撮影取材にもよく行っていたから、桑田さんと仲良くなって「いやぁ、あの頃は青春だったよね」みたいな世間話をしていました。

黒木

黒木さん

僕は浪人してたりしたので、誰が同級生かってなると範囲が広いけど、小宮山(悟)くんは(早稲田大学野球部の)1個下ですね。球団担当時代に一番仲良かったのは西武の潮崎哲也かな。

福山

福山さん

プロ野球ニュースの取材とか通して仲良くなったんですか?

黒木

黒木さん

潮崎は球団担当だった1990年にドラフト1位で入団してきた。1年目から活躍して、オフ企画の「わが故郷」を一緒に作った。実家に行ったりして3日くらいロケして。山口さんもVEとして取材に参加してたね。地元の友達を呼んでもらったり、食事会を撮影させてもらったりもしました。

山口

山口さん

贅沢なロケでしたねぇ。

社員クロストーク

Session - 02

地上波時代のプロ野球ニュース

武田

武田さん

「野球といえばセ・リーグ」という時代が長いことありましたけど、僕が子どもの頃からプロ野球ニュースではパ・リーグもしっかりやってくれるという印象がありました。

福山

福山さん

確かに、あの頃のフジテレビってパ・リーグをすごく推してるイメージがあった。

伊藤

伊藤さん

当時のプロ野球ニュースは、『どの球団も平等にやる』っていうのがあった。

福山

福山さん

でも世の中は巨人推しだったじゃないですか。

黒木

黒木さん

試合は平等だったけど、オフシーズンはちょっと別だったかも、キャンプの時期は巨人だけで60分の内の30分やったこともあったかな。松井秀喜のバッティングだけを延々と見せたり、『今日の長嶋(茂雄)さん』とかね。でもそれで視聴率は取ってたから、やっぱりみんなそれが見たいんだなって思ってたよ。

伊藤

伊藤さん

黒木さんが球団担当だった頃の(当時の)キャンプ取材には、巨人担当だけで3人いたよね。カメラが4台ぐらいあって。それぞれテープの素材が10本分くらいある。俺はそれを全部プレビューして編集しなきゃいけない。

浅羽

浅羽さん

それを現場でやってたんですか?

黒木

黒木さん

系列局に大きな会議室を貸してもらってやってたね。

伊藤

伊藤さん

今みたいに携帯がなかったから、トランシーバーでホーム球場とブルペンを行ったり来たりする長嶋さんを追っかけるカメラクルーと連絡を取りながら取材してた。2000年の時のキャンプの時だって、長嶋さんが上着を脱いで背番号3を見せる場面に4台のカメラで撮影してたからね。

福山

福山さん

確かに色んなアングルの映像があった。

黒木

黒木さん

スポーツ以外のカメラも入れたら下手したらフジテレビだけで10カメなんて日もあったね。その時は長嶋茂雄、松井秀喜、長嶋一茂、原辰徳。ピッチャーなら槙原寛巳、斎藤雅樹、桑田真澄の3本柱はいたし、もう大変。

伊藤

伊藤さん

夕方にキャンプ取材から帰ってきたら、もう戦争だよ。

黒木

黒木さん

オンエアが23時30分くらいだったかな。終わるとぐったりでしたもんね。

福山

福山さん

他の局はどうだったんですか?

黒木

黒木さん

テレ朝はニュースステーションとか、日テレも「今日の出来事」でやっていたけど小さなスポーツコーナー程度。やっぱり「プロ野球ニュース」っていう看板でやれたよね。ちょっと威張ってた。

一同

一同

ははははは!

社員クロストーク

Session - 03

地上波時代の終焉

武田

武田さん

黒木さん、山口さん、伊藤さん以外のメンバーは、地上波時代を知らずにCSからプロ野球ニュースをやっていて。いまCSでやっているプロ野球ニュースって「野球だけ」ですけど、地上波の時は色んなスポーツを扱ってましたよね。

黒木

黒木さん

「スポーツワイド」と銘打ってたからね。プロ野球のオフシーズンになったら企画物もあるけど、ラグビーとかサッカーを解説者とアナウンサーを付けてプロ野球ニュースのスタイルでやったりもしたね。だから色んなスポーツの現場にも行ったなぁ。

福山

福山さん

ちゃんと聞いたことなかったんですけど、なんで地上波のプロ野球ニュースは終わったんですか?

伊藤

伊藤さん

プロ野球中継の人気が下火になってきたのはある気がする。

黒木

黒木さん

冗談かもしれないけど自分が聞いた話では、サッカーの中田英寿さんに「プロ野球ニュースです」って取材に行った時に、「僕はプロ野球の人ではないので」みたいなことを言われたとか。それが一番の理由ではないと思うけど、取材先の選手たちから、そういう声が出てきだしたっていうのはあったのかもね。

山口

山口さん

地上波の「プロ野球ニュース」って冠がなくなって「すぽると!(2001年4月から放送)」になった時に、現場では広報さんに「明日から大変だね」って言われたよ。「今まではプロ野球ニュースだから優先的にインタビューを受けてたけど、明日から各局横一線になるからね」って。現場の1カメラマンにそんなこと言われても、どうしようもなかったけど、一つの時代が終わるんだなって思ったね。

浅羽

浅羽さん

境澤は地上波のプロ野球ニュース観たことないでしょ?

境澤

境澤さん

観たことないですね。

社員クロストーク

Session - 04

CS放送になっても変わらないこと

武田

武田さん

今の若手が「巨人だろ野球は」って時代をどこまで知っているのか。プロ野球観っていうのが昔とはだいぶもう違っているんじゃないかなと。

浅羽

浅羽さん

そういう意味では境澤は中日ファンでしょ?何で野球観てた?

境澤

境澤さん

僕が住んでいたのは浜松なんで「テレビ愛知」で観たりしてましたけど、それでも僕の子どもの頃もテレビでは巨人戦しかやってなかったです。

伊藤

伊藤さん

今って観ようと思ったらどの球団でも観られるよね。昔は本当に観られなかった。

境澤

境澤さん

どうやって試合のハイライトで使うシーンを決めてたんですか?

黒木

黒木さん

西武戦の実況はラジオの文化放送しかないから、耳で聴きながらスコアシートを書いてるんだけど、最終的には現場から伊藤さんと電話でやり取りして、FAXで使いどころをマークしてスコアシートを送るってことをしてた。

伊藤

伊藤さん

スコアシートは命だからね。携帯電話がなかったから黒木さんも球場で他の記者と電話の取り合いになっていて「ごめん、今の聞き取れなかった」っていうのは絶対なしだったから必死だったよね。スポナビの1球速報なんかも当然なかったし。

福山

福山さん

CSになってからも、しばらく巨人戦だけはプレーボールから1時間くらいは映像が観られなかったよね。今みたいに日テレがやっているジータスがなかったから、その時だけラジオを聴きながらやってた。

浅羽

浅羽さん

今みたいに全試合中継が観られるようになったのはいつからですか?

武田

武田さん

今のプロ野球ニュースが始まった2001年には、巨人主催以外の全試合をスカパー!で中継してたって認識。巨人戦はその時はまだ日テレで全戦中継していたと思う。当時はダイジェスト編集で使う在京球団の試合映像を現場で収録してバイク便でフジテレビに送ってた。1度、東京ドームの試合が23時30分ぐらいまでやってた時にサヨナラになっちゃって、フジテレビの玄関までバイク便を迎えに行って、上カメだけスタジオに直行で持って行って、とりあえずサヨナラのシーンだけそのまま見せるってこともあった。今はほぼ全試合局でリアルタイム収録しているから、境澤とかはそういう時代を想像できないんじゃない?

境澤

境澤さん

そうですね。

伊藤

伊藤さん

編集ではこういうこともあったな。下カメのバッター紹介と上カメでサヨナラのシーンを繋いで、デッキにセットして、パッとテレビを見たら、そのシーンまで10秒ぐらい。もうその試合は放送してたから、最後のシーンだけタイミングを合わせてダーンってスタートさせた。今はそういうこともなくなったけど。

黒木

黒木さん

そのうち中継映像が横浜、ロッテとか西武とか徐々にもらえるようになったね。

武田

武田さん

松坂とかダルビッシュとかが出だしたタイミングで、CSの野球中継が始まったのは、時代のニーズにも合ってきたのかなと。

伊藤

伊藤さん

ずっとやってきた人間としては地上波のプロ野球ニュースが終わった時にめちゃくちゃガッカリして、CSに移行した時も正直「CSかよ…」って思ってた。でも今はCSでもずっとこうやって続けてきて良かったなって。

黒木

黒木さん

だから僕が営業に20年いて、スポーツに戻ってきた時、プロ野球ニュースに立ち会ってみて、映像の入手の方法は違うけど、やってることは一緒だった。全体の番組の構成を決めるPDがいて1試合ずつちゃんと担当者がついて、アナウンサーと読み合わせして。何十年もやっていて行きついたスタイルが受け継がれている。CSの人たちからも、プロ野球ニュースがフジテレビONEでも大きなコンテンツになってるって聞くと、よく続いたなって感慨深い気持ちになったな。


福山

福山さん

プロ野球ニュースとしては、うまい具合に地上波からCSにバトンリレーできた。これまでのノウハウがちゃんと生かされると感じる。何よりフジテレビは誰もやったことのないことを先にやったんで、映像の入手の仕方もそうだし、フジテレビのCSでしかできないコンテンツになったよね。

武田

武田さん

本当に地上波時代からの財産。僕は1976年の地上波が始まった時に生まれて、CSが始まった時に入社した。

伊藤

伊藤さん

ミスタープロ野球ニュースじゃないか。

一同

一同

ははははは!

黒木

黒木さん

関根潤三さんが解説で出演された時なんかは、オンエアが終わって0時30分ぐらいかな。そこから色んな昔話を聞かせてもらった。豊田泰光さんとかにも色んな話を聞かせてもらったな。でもそれに近いことを今もやってるじゃん。毎日、解説者がMCをやって。

福山

福山さん

僕らも武田くんとCSやってて、関根さんと土橋正幸さんには色々と教わったよね。

武田

武田さん

あとは加藤博一さんが、色んな野球の見方を教えてくださった。ピッチャーの投げた球筋とコースだけ見てるんじゃなくてプレートの使い方を見ろとか。そういうのも試合を観ながら、もちろん終わった後もそうですし。

黒木

黒木さん

昔はそういう人が、一緒にキャンプとかオープン戦だったり、試合に付いたりすると教えてくれるんだよね。加藤博一さんは本当に色んな生き残る術を持っていたね。

山口

山口さん

加藤さんは野手で走る人だったじゃん。だから相手の癖とかよく見ていたんじゃないかな。

黒木

黒木さん

昔は後枠(試合ハイライトのあとのスタジオ解説)とかで、あのシーンのことをやるぞって決めてね。

山口

山口さん

「あのシーンって撮ってる?」とかが結構あって。だから撮影する方も先読みしてないと撮れない。トランシーバーもあって事前に、こういうことがあるから厚めに撮っておいてって言われるけど、(後枠で)これ、しゃべるのか!ってこととかね。

黒木

黒木さん

でも今もMCの解説者がいて、ゲーム解説の人が一緒に試合を観てる。球場に行かなくてもちゃんと試合を観ることが出来てるなって感じた。

福山

福山さん

良い環境になりましたよね。

黒木

黒木さん

試合担当のディレクターが解説者と一緒に試合を観てて、球場には行かないけど、一緒じゃんって思ったよ。

伊藤

伊藤さん

だから(他の試合担当と)横のコミュニケーションもできる。球場に各自が行っちゃったら、横のつながりがなくなるじゃん。それは良いことだよね。

Vol.2 につづく

社員クロストーク