ドラマ・映画
キングダム2 遥かなる大地へ
担当
照明
カテゴリ
映画
公開時期
2022年7月15日
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2022年7月15日に公開された、原泰久の漫画「キングダム」を基にした実写映画の続編です。この映画は、前作「キングダム」からのストーリーを引き継ぎ、さらに大きな戦闘や新たなキャラクターの登場を描いています。
同作は第46回日本アカデミー賞で、優秀助演女優賞、優秀撮影賞、優秀照明賞、優秀美術賞、優秀録音賞と、多くの賞を受賞しており、2022年公開の邦画実写作品における興行収入1位を記録するなど、大きな話題を呼んだ作品となりました。fmtからは、照明技術部より加瀬弘行が照明技師として撮影に携わり、優秀照明賞を受賞しました。
技術のポイント
紀元前の中国の物語なので知識も無く、ましてや経験もゼロな状態でした。準備段階では、まず世界観を知ろうと撮影監督の佐光朗氏から教えて頂いた中国作品やリドリースコット作品の「グラディエーター」などを沢山観ました。
2019年公開の「キングダム」には参加していないので、それとは少し異なる新たな試みをやろうというのが1つのテーマとしてありました。
初めて佐藤信介監督に会った時に「僕はデイシーンの“寄り”でもちゃんと人物にコントラストが欲しいです」と言われました。普通、照明部は、オープンセットのデイシーンとなると楽するところだったりするけど(笑)。そこは苦労しながらもちゃんとコントラストを付けるのが1つのポイントで、役者の躍動感とか、表情を豊かにするのを目指しました。
合成部分が多い作品ですが、合成シーンで一番大変だったところはありますか?
合成が照明的に大変だった記憶は特にありませんが、リアルな美術があるわけでもなく背景も無い状態で仕上がりが想像でしかないこと。もちろん全てに関して絵コンテがありますが、CGとのマッチングをイメージするといった部分は結構大変でした。
「キングダム1」とは違う新しいやり方を具体的に教えてもらえますか?
「キングダム1」からずっと出てくる王宮のセットがあるのですが、ちょっと変えたいなと思い、高窓から陽が差すイメージを思いつきました。中国でも高窓の考えはその時代にはないそうです。美術さんにも相当怒られましたけど(苦笑)。高窓からキーライトを作るやり方をしたのが「キングダム1」と差を付けた部分では一番です。撮影監督の佐光朗さんも面白がってくれました。
ゴールデングルーブ賞でテレビドラマ作品賞を獲った「SHOGUN」あれも高窓でした。あの時代の日本でも高窓ってないですよね?
やっぱり海外のDP(Director of photography:撮影監督)も同じようなことを考えるんだ!って思いました。
チームメンバーのコメント
照明 加瀬 弘行
「キングダム1」は、日本映画としては新たな映像を作り出した作品でしたので、それに対する尊敬の念とそれに負けず劣らずの映像を作らなきゃいけない意識がありました。実際はどの程度出来たか分かりませんが。それに応えてくれた多くの助手の皆さん、フリーランスの方達、彼らの力を存分に借りられたのも大きかったと思います。

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